クックパッドといえば、多くの主婦を中心に利用ユーザ数を増やしており、現在では月間ユーザ数が5,644万人、プレミアム会員(月額400円会員)も150万人を超えているという超有料優良企業。
そんなクックパッドに異変が起きているようです。
目次
クックパッドの業績
売上は倍近く伸びていますね。いやーそれにしても営業利益がハンパない。
現在、売上規模として上場企業としてそこまで大きくないものの時価総額は2,500億円(2015年9月23日時点)近いのですが、将来期待とこの営業利益率が評価されているんでしょうね。評価額はDeNAに匹敵し、最近元気の無いGREEにはダブルスコアをつけています。
クックパッドの売上収益の構成
会員事業の収益(月額400円等の定額モデル)が半分近くを占めています。これらのユーザは一定の退会率はあるものの、基本的には使い続けてくれるのでストック型ビジネスモデルとして安定的に売上が見込めます。売上の構造としても理想的ですね。
売上収益の推移
2年ほど前までは会員事業と広告事業しかなかったのが、買物情報事業・EC事業・その他事業と売上のポートフォリオを多角化しています。
会員事業と広告事業も非常に伸びていますね。
クックパッドの利用状況
ガラケー(フィーチャーフォン)の利用率低っ!
まだ保有率は結構あるはずなんだけど、クックパッドの利用率は2%にも満たないの。。
モバゲーやグリーはまだフィーチャーフォンの売上は結構あるのだけど、この差はなんだろう。
10代はフィーチャーフォンの比率がまだ高くてその差とかかな。
海外の状況
クックパッドの海外利用者数は1,000万人を超えているんですね。
日本を代表するサイバーエージェントでも海外では活躍できていないので、クックパッドにはぜひ頑張ってもらいたい!
目を疑ったプレミアム会員純増数の異変
店頭アフィリエイトの抑制って。。
プレミアム会員を店頭アフィリエイトで獲得していたのか。
店頭アフィリエイトとは簡単に説明すると携帯販売店で携帯契約時に月額コンテンツを契約するのと引き換えに端末を値引くサービス。
※値引かない場合等もありますが、簡略化しています。
たとえばクックパッドであれば「月額400円のコンテンツにユーザが加入すれば、1000円端末販売料金を値引きしますよ」みたいなプロモーション手法が行われているものと想定される。
(この場合クックパッドは広告代理店に1会員あたり2000円くらい払うのが相場)
単純に1ヶ月で解約されるとクックパッドは大損なのだが、このモデルは退会忘れをするユーザが多く、プロモーションを仕掛ける企業からすると継続率(LTV)が高い。
そのため月額料金の○○倍を支払っても採算があうのだ。
この手法を活用した成功事例が何を隠そう携帯キャリアの代表ドコモのdマガジンだ。
なんと8割は利用しないのに月額料金を払っているユーザ(契約しているのを忘れている)だ。詳しくは先日の以下の記事をみてほしい。
こんなビジネスが許されるのか。ドコモの電子雑誌読み放題「dマガジン」の8割は利用しないのにお金を払っている休眠ユーザ
この手法で獲得していたユーザが何割かはわからないが、比率が高ければ高いほど利用していない退会忘れのユーザということになり、それは企業の真の実力ではないと思う。
でも抑制したのはなんでだろう。いろいろと消費者庁へのクレームも多そうだから、規制が強まったのか、他のモデルにシフトするのか。。
ちなみにこの件に決算説明会で質問が出ており、回答は以下のとおり。
【Q1】
App Store(Apple社)の販売価格が300円(税込)から400円(税込)になりましたが、これが有料会員の純増数に与える影響について教えてください。
【A1】
App Store(Apple社)の販売価格の変更による有料会員の退会はありますが、厳密にその影響を測定することはできません。ただ、単価が上昇しているので、営業利益ベースではプラスの影響となっています。
【Q2】
店頭アフィリエイトを行なわないとすると、有料会員の純増数は今の実力ではおよそ月2万人程度という理解でよいでしょうか。
【A2】
アフィリエイトをやめると、アフィリエイトによる新規の獲得がないのと同時に、過去にアフィリエイトで獲得したライトユーザーの退会は引き続き発生するため、ここ3,4ヶ月はアフィリエイトの削減による有料会員の純増数の減少が大きくなっていると思います。過去のアフィリエイトで獲得したライトユーザーの退会が一巡したところで、真の実力が見えてくるため、様子を見たいと考えています。
”真の実力が見えてくるため”
店頭アフィリエイトの獲得ユーザは正直に真の実力ではないと認めているようです。
ドコモと提携し、dグルメを発表
dマガジンみたいに店頭アフィリエイト目的でdグルメを実施するのかな。
店頭アフィリエイトの拡大は「使っていないのに、お金を払い続けるユーザを増やしてまで利益を上げる」ことともいえる。
それだけはやめてほしい。
Googleなら社訓で掲げているあの言葉をきっと言うと思う。
「邪悪になるな」