GREEの業績が下げ止まらず。ここで一度、組織運営のための適正なチーム人数について考えてみたい

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2011年のガラケーソーシャルゲームブームから株価は4分の1程度まで低迷しているGREEが4月28日に決算発表を行いましたが、まだまだ反転の兆しが見えません。上場後、みるみるうちに株価は約7倍の6,000億円を突破した2011年のあの頃が懐かしい。

そう考えるとガンホーやミクシィも小島よしおもビックリの一発屋にならないか心配です。GREEにはもう一度8.6秒でも良いのでバズーカーを打ってほしい。では業績を見てみましょう。

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GREEの2016 年度第3四半期決算

GREE売上・利益推移

売上高と営業利益の推移ですが、下げ止まりが見えません。1年前の3Q と比較すると

売上高 219億円→168億円(-24%)
営業利益 49億円→36億円(-22%)

と、四半期毎に下げ続け1年間で2割以上の減少を見せています。

GREEのブラウザ・ネイティブゲーム、国内・海外事業の状況を表すGREEコインの消費状況を見てみましょう。

GREEコイン消費の状況

コイン消費1

コイン消費2

どの項目を見ても下げ止まりの傾向が見えません。苦しいのはネイティブゲームでさえ、減少傾向が続いているということ。

競合のDeNAはネイティブゲームは成長軌道に乗り、ブラウザゲームもサイゲームスのグランブルーファンタジー効果が大きいとはいえ、下げ止まりを見せています。

またゲーム以外の新規事業においても買収案件もあるとはいえ、DeNAのほうが売上・利益は先行しているでしょう。

そんな中、GREEがここから再成長できるかどうかのポイントとして大きいのはネイティブゲームでヒットを生み出せるか、有力な新規事業を生み出せることができるかの2つが大きいでしょう。まずはネイティブゲームの上から見てみます。

ネイティブゲームのパイプライン

GREE事業概要2

ブラウザゲーム市場と違って、開発費用も増大し続けているネイティブゲーム市場は大量にゲームを生産するよりも、数を絞ってヒット作を生み出すことに注力したほうが成功する事例が多くなっています。

ソフトバンクが1500億円で買収したフィンランドのスーパーセルという会社がその典型例ですね。ただ、この開発計画数を見ると少しかけている人数が多い。以下がGREEのグループ従業員数だ。

GREE従業員数

営業利益もまだまだ出ているし、人数は多いに越したことは無いと思うかもしれませんが、スティーブ・ジョブズとジェフ・ベゾスの哲学と比較して考えてほしい。

チーム人数の考え方

スティーブ・ジョブズ

ジョブズは、初代Macintosh、アップルの立て直し、iMac、iPod、iPhone等どのケースにおいても、1流社員(とジョブズが認めた)による10人程度の少数精鋭チームを作り、そこに2流社員が混じらないように最新の注意を払ったということは広く知られています。

また、お金をかけて優秀な人材を獲得してきても、置く環境を間違えてしまうと、その才能の芽を潰してしまうため、個々の能力を見極めた配置ができるかというのも当然ポイントと考えていたようです。

追記:ジョブズは10人程度の少数精鋭チームからの推薦で人を増やすことを許していましたが、大きなプロジェクトでどれだけ拡張しても100名を超えてはならなかったようです。

ジェフ・ベゾス

ジェフ・ベゾスは人材過多による弊害を防ぐために2枚のピザ理論を提唱しています。2枚のピザで賄えるのは5人から8人ぐらい。仕事も同じで人数が増えすぎると、大人数に隠れて個人が仕事をさぼったり、自分がやらなくても他人がやってくれると思う人が増えてしまう懸念があるということです。

再成長できるかどうかは結局、人次第。優秀な人材も多く採用していると思うので、いかに適材適所に配置し、仕事がしやすい体制を整えることができるか。言うのは簡単だが、実行するのは難しい。

ただ少数精鋭のほうが経営ビジョンの共有も図りやすいし、サボる人も減るだろう。2枚のピザ理論が個人的にはしっくりきます。

最後にトピックスを見てみましょう。

3Q 進捗サマリー

GREE事業概要ネイティブゲームはLINEとの協業を打ち出していますが、集客を補完するためでしょうか。

ウェブゲームは他社ゲーム事業の運用を受託するというようなことにも力を入れていくようです。固定費の削減は良いとして、新領域の事業が気になります。

もちろん新規事業もスタート時よりは成長しているようなのですが、現段階での詳細な数値はほとんど非開示。将来的な期待は大きいものの、足元では大きなヒットは出ていないのでしょう。

時価総額もDeNAと倍近く差が開きつつあるGREE。再成長するタイミングは来るのだろうか。

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