サーバといえば、最近はAmazonのAWSの勢いが世界中で話題になっていますが、日本ではインターネットの黎明期からさくらインターネットを利用する企業が多いと思います。
そんなさくらインターネットが4月25日に発表した決算説明会資料に現状のデータセンター業界の動向が読み取れる部分がいくつかあったので、まとめました。
さくらインターネットについて
さくらインターネットをご存知無い方のために簡単に説明すると、さくらインターネットはコストパフォーマンスの高さで知られ、IT企業はもちろん、多くの企業・個人に利用されています。特に価格破壊を起こすような値付けで先陣を切ることも多く、現在では東証一部上場企業にまで成長しています。一時期、債務超過に陥ったこともあったのですが、現在は総合商社の双日が4割を超える筆頭株主となっており、業績も含めて安定してきています。
データセンターの役割
さくらインターネットが提供するデータセンターは簡単にいうと、コンテンツを提供する事業者のデータの保管・処理。
さくらインターネットの事業領域
サービスには大きく、レンタルサーバ、専用サーバ、VPS・クラウド、ハウジングと4分野の売上構成比が高くなっています。この売上構成比については後ほど触れます。
次からはこのデータセンター業界の市場環境を見ていきましょう。
データセンター事業の市場機会
特に今後大きく状況が変化する要因がIoTの普及。IoTは最近頻繁に聞く機会が多くなっていますが、Internet of Thingsの略。様々なモノがインターネットに接続され、情報交換することによって、相互に制御する仕組みのことです。
インターネットに接続する端末といえばPCやスマホ、タブレットをすぐに思い描きますが上記の図にあるように、2009年はPC・スマホ等が16億個、IoTが9億個に対して、2020年にはPC・スマホ等が73億個に対して、IoTが260億個と飛躍的な伸びが期待されています。
そんな中、これまで企業内に置かれていたデータはよりデータセンターに預けられることが多くなってきています。支出額の実績・予測を見ても傾向は明らかです。
今後、産業構造の変化によりデータ量が爆発的に増大するので、データセンターの役割もより重要になってくるでしょう。
さくらインターネットの業績
さくらインターネットの業績の推移ですが、2008年62億円の売上だったのが、2016年には120億円と倍増しています。AmazonのAWSの勢いもすごいですが、さくらインターネットも直近の売上角度は向上しています。
最後に売上構成ですが、ハウジング・専用サーバの売上は減少しているものの、それを上回るレンタルサーバとVPS・クラウドの売上上昇がある結果、全体的に売上成長角度が高まっています。
レンタルサーバについては小規模のWEBサイト・ブログが増えていますし、中・大規模のサービスがクラウドを選択する率も増えており、急激に売上が伸びています。
このトレンドはしばらく続くでしょうね。