minneが好調なGMOペパボの決算分析。メルカリ・ヤフオクが先行するCtoC市場でのシェア拡大なるか

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ハンドメイド、手作り作品専門の通販・販売アプリであるminneが好調という話を聞くGMOペパボ。

この手のCtoCモデルはメルカリといい最近非常に伸びていますよね。10年前だとヤフオクのほぼ一強状態で、しいて言えばDeNAがモバオクで頑張ってたなという状況でした。

しかしここ最近スマホの普及を背景に業績を伸ばすサービスが増えています。

GMOペパボが2月に発表した決算資料からデータを見てみましょう。

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minneって何?

minneは自分でものづくりのできるクリエイターにとっては作品を販売したり、専用作品サイトを作ることができたり、自分の作品が好きなファンと繋がるSNS的な機能を持つサービス。販売の際にGMOペパボが手数料10%を抜きます。

メルカリなどとの大きな違いはハンドメイド・手作り作品に特化している点。

お店では買えないものが手に入るというのが、利用者にとっては嬉しいですね。人気商品を見てると女性の比率がかなり高そうなイメージです。

minneの商品.PNG

国内ハンドメイド市場規模

国内ハンドメイド市場規模

ここからGMOペパボの決算資料からです。まずはハンドメイド市場規模から。

国内ホビー市場におけるCtoC市場の推移が上記の図ですが、2015年で1,037億円の内、78億円がハンドメイドサイトの市場。その44.6億円の流通額がminneということは57%の市場シェアをとっているということになります。

国内ハンドメイドサイトの比較

minne競合比較

以前tetoteというサイトをGMOペパボが買収したので、左2つがGMOペパボ陣営となります。

それ以外だとCreemaというサイトが一番老舗で2010年6月からサービスを提供していて作品数もminneとだいぶ競っています。アプリのスタートがminneから2年ほど出遅れたのが大分痛かったですね。最後発のminneが今ではシェアトップです。広告宣伝費を投下する体力も上場企業のGMOペパボのほうが上ですので、ここから巻き返すのは難しいでしょう。

2016年のペパボ

2016年のペパボ

まずは2016年流通額100億円。これはメルカリやヤフオクと比較するとどうなのか、後ほど説明します。

minneへの積極投資

minneへの積極投資.PNG

リソースの多くを昨年に引き続き、minneへ積極投資していきます。それぞれ見てみましょう。

CM効果は悪化気味

minneへの積極投資2

TVCMなど積極的に広告宣伝費を投下していますが、CPI、つまり1インストールあたりのコスト指標が上昇しています。広告効果が悪化しているということですね。

まだまだ市場が小さく、利用者のパイが少ない中でマス公告を打っているので、ターゲティングが広告出稿が可能なインターネット広告と比較すると相当費用対効果は悪いと思います。

ゲーム会社がTVCMを積極的に投下しているのは、マス広告を打つだけの利用者のパイがあるからこそ。

おそらくこの広告出稿のやり方だと、効果の改善を期待するのは難しいでしょう。と少し辛口です。

ハンドメイド作家や作品数

minneへの積極投資3

ハンドメイド作家は17.4万人。作品数は209万点に

この数値は期待できるものですが、DL数の441万というのはminneはリワード広告という、簡単にいうと50円あげるからアプリをDLしてね型の広告出稿もしているので、実力値はわかりません。

このリワード広告出稿はメルカリなども実施しているので同様なんですけどね。

作家・作品数推移

minneへの積極投資4

作品数については着実に伸びてはいますが、多額のTVCMの割には・・・という感じもします。

アプリDL数推移

minneへの積極投資5

一応、DL数推移ですが、先ほどのとおりリワード広告の出稿量がわからないので、ここはノーコメントです。

流通総額推移

minneへの積極投資6

重要なのはここですね。そう流通総額。

直近の四半期で16億円ということは月間にすると約5億円程度。類似ビジネスモデルでいうと今月上旬にメルカリが公表した流通総額は月間100億円。ヤフオクは月間約700億円。

市場がニッチであるし、メルカリやヤフオクでもハンドメイド商品が流通していることを考えると、今後どこまで伸びるのでしょうか。

GMOペパボの決算

GMOペパボ決算

2015年度はminneへの積極投資のため、営業利益8億円の赤字を想定していましたが、売上も営業利益も予想を上回っています。2015年の15.2億円もの広告宣伝費投資が来年以降の売上にどこまで繋がるのか、楽しみです。

元々家入一真氏創業時からのメイン事業であるホスティング等の事業もしっかりと伸びていますね。

四半期別業績推移

これまで微増を続けてきた売上成長も、ここにきて角度が変わったようには見えます。

この成長角度が続けば、今回の投資もいつかは回収できるでしょう。

2016年12月期の業績予想

最後に今期の予想です。おそらくminneへの広告宣伝費投資を止めれば10億円程度の営業利益が出ると思われるGMOペパボですが、今年の営業利益の予想を見るとまだまだ投資は続けるようですね。

こういう上場後に守りに入らず、攻めの企業姿勢は個人的には好きで、評価もしています。

ハンドメイドで「ものづくり」という日本人の強みを活かしての海外展開含め、成長の可能性は大いにあると思うので頑張ってほしいものです。

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