イトクロがマザーズ新規上場・IPO。社名の意味・由来となった伊藤弘和と黒岩剛史は?山木学氏との関係とは

2015年6月26日に株式会社イトクロ(本社は東京都港区。代表取締役は山木学)は東京証券取引所マザーズ市場への新規上場の承認を発表した。上場日は2015年7月30日を予定しているという。

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イトクロ設立の経緯

イトクロは元々はオン・ザ・エッヂ(堀江貴文が創業したライブドアの社名変更前の企業名)最初期のメンバーでエンジニアである伊藤弘和氏がリクルートにいた黒岩剛史と2006年3月に設立した。

伊藤弘和はライブドアマーケティングに出向した際に黒岩剛史と出会い、起業した。ちょうどライブドア事件が起きたタイミングでもある。

その後、リクルート出身でカカクコムにいた山木氏が合流(2006年12月に取締役就任)し、2011年にはリクルートから出資も受けた。その時の出資時評価額は54億円程度と想定される。

伊藤弘和氏と黒岩剛史氏はどこいったのか?

ただし上場時にリクルートの名前は見当たらず、創業者であるはずの伊藤弘和と黒岩剛史の名前も見当たらない。

どうやら株主にイトクロ自身が約20%の第2位株主にいるところからも株式を会社か山木氏がどこかのタイミングで買い取っていたものと思われる。

上場するとイトクロの株式は約77%が山木学の持ち分で、時価総額約300億円近くはつくと思われるため、その資産は200億円以上に膨れ上がることになり、なんとも羨ましい限りだ。

スタートアップの経営者が大きく利益を得るには上場してキャピタルゲインを得るか、株式を売却してイグジットするかの大きくは2つだが伊藤・黒岩氏はイグジットを選択し、山木氏はキャピタルゲインを選択したということだろう。

イトクロの業績は?

2015年中間決算で売上17.4億円の営業利益は5.2億円。2013年度から振り返っても売上・利益共に安定した水準である。

2013年 売上29.8億円、営業利益6.6億円
2014年 売上29.7億円、営業利益6.6億円

直近の営業利益率は約30%。

メディア事業についてはほとんど変動費もかからないだろうから、売上がスケールすれば相当な利益率なのだろう。

教育サイトでは塾ナビが好調で家庭教師のトライが大口取引先

2014年度は教育サイトではトライが年間5.3億円、金融系ではカラックが年間3.6億円と大口の取引先だ。家庭教師のトライのCMをよく見るが、CMよりも塾ナビの広告効果のほうが定量的には大きいのではないだろうか。

図:イトクロ運営「塾ナビ」

スタートから約8年が経過した「塾ナビ」が好調のようで、2014年通期の年間訪問者数が937万人という。塾へ通う人口のほとんどを占めているのでは?と思うが、確かにGoogleで「塾」と検索すると塾ナビが1位表示される。

メディア事業の高利益率体質はこのSEOが肝なのだろう。

似たようなアプローチに価格ドットコムや比較ドットコムなどを思い浮かべるが、現代表取締役の山木学氏がリクルート入社後、株式会社カカクコムの事業開発を経て、イトクロの取締役に就任していることからもうなずける。

また塾ナビは掲載した塾への資料請求の数に応じて、1件あたりいくらで報酬を得るというアフィリエイトモデルを採用している。ジョブセンスのビジネスモデルを業界をずらしたような形だが、いまや珍しいビジネスモデルでもないので、真似したといわれることもないだろう。

図:イトクロ運営サービス

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