サイバーエージェントの決算説明から見るAbemaTVの確かな手応え

サイバーエージェントの藤田社長が肝いりで挑戦している動画事業。AbemaTVとAbemaTV FRESH!が開始され、反響が聞こえてきています。4月21日に実施したサイバーエージェントの決算説明会での内容からその状況を紐解きたいと思います。

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AbemaTVについて

ブランド統一

TVの概念をスマートフォンに持ち込んだAbemaTVと生放送動画に特化したAbemaTV FRESH!。

AbemaTVはサイバーエージェント60%、TV朝日40%の合弁会社である株式会社AbemaTVで運営しています。AbemaTV FRESH!は元々AmebaFRESH!として開始されましたが、AbemaTV FRESH!に名称変更し、運営も株式会社AbemaTVに譲渡しているのでしらばく名称を間違える人が続出するでしょう。ややこしい。

AbemaTVの特徴

「無料であること」「TVと同様に24時間編成であること」「プロダクトクォリティが高いこと」「コンテンツラインナップが豊富なこと」

AbemaTVの概要

このプレミアムプランを知らない人は結構多そうです。サクラバもスマホで朝生を見逃してしまったので、プレミアムプランに加入予定ですが、今後ココでしか見れないキラーコンテンツが増えていけば、有料ユーザも増えるでしょうね。

コンテンツラインナップ

しばらくは試行錯誤が続くでしょうが、オリジナルチャンネルの出来が特に有料課金ユーザの動向を左右していくでしょう。

視聴数の状況

デイリー1,000万突破は凄い。AbemaNewsが1位だけど、4月14日は熊本地震の影響もあり、さらにNewsの視聴数が伸びていると思われる。

その他質疑応答でのAmemaTVの情報

  • AbemaTVのダウンロード数 
    4月19日で100万DL

  • AbemaTVの平均視聴時間やユーザ属性
    30代の男性が多く、女性が少ない。テレビを見なくなった10-20代の男女をメインターゲットにしているため、ドラマや恋愛バラエティを増やす等の番組内容を見直ししている最中。

  • AbemaTVがブレイクイーブンポイントを超える視聴数の想定は?
    過去の経験から黒字化時期は明言しない

  • 先行投資費用90億円の内訳は?
    60%がコンテンツの制作費用、外部からの調達費用と内部の制作費用が半分ずつ。残りの25%が広告宣伝費で、15%がその他費用。

  • 来期のコンテンツ費用は?
    未定だが、今期と同程度は必要。生放送を拡充予定。

  • AbemaTVの広告販売時期と代理店
    5月から全チャンネルで広告配信。現在は一部の広告代理店のみだが、7月からオープン化。

  • ターゲティング広告は?
    独自でデータを取得していない(GAのみの模様)ため、ヘビーユーザへのカスタマイズ機能の提供時に情報することも検討しているが、現状、積極的でない。インターネット広告だからといって、ターゲティングしすぎることは、広告のリーチを極端に下げる可能性がある。

  • チャンネル指定の広告配信は?
    現在はスポット販売のため、チャンネル指定の配信はしていない。今後検討。

  • 広告の単価は?
    視聴感覚はTVと似ているため、TVCMにあわせていきたい。

  • 課金利用者は?
    将来的には広告収入と課金収入は半々になり得ると想定しているが、提供してみないとわからない。

  • AbemaTV本開局前後での発見や変化は?
    視聴率が高いTV局が強く、販売部数が多い雑誌社が強いように、メディアは多くの人に見られていることが競争力になる。そのため、ユーザに見られるプロダクト設計や視聴習慣をつくるようなコンテンツづくり、機能等すべてにおいて気を配ってきた。開局後、ユーザの評価や継続率等を見て、確かな手応を感じている。

サイバーエージェント藤田社長の兄貴分にあたるUSENの宇野会長が10年程前にTVの概念をインターネットに持ち込み、積極的に取り組んだものの、大赤字でブレイクせず、結局はYahoo!に譲渡したGyao。

10年後の今であれば、成功するのだろうか。その取り組みが宇野会長と関係の深い、藤田社長だから興味深い。

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