今回はモバゲーの存在感が薄くなりつつありますが、引き続きゲーム事業が主軸でECやプロ野球球団、キュレーションメディアに無料漫画アプリ、動画アプリなど幅広い事業展開を行っているDeNAの業績を分析してみます。
内容はゲーム業界だけでなく、インターネット・アプリの業界関係者は必見のものです。
目次
DeNAの2015年Q1の業績
ゲーム事業は意外に横ばいなのか。
なぜ意外なのかというと時代のトレンドはブラウザゲームからネイティブアプリゲームに移ってきているので、モバゲー売上の減少がすごいだろうなと思っていたから。このあたりは後ほどもう少し詳細に見てみます。
ECも横ばいですが、新規事業(マンガボックス・MARY・SHOWROOMなど)は伸びてきています。
スポーツは前年比で見ると大分売上が伸びているなぁ。インターネット企業ならではの球団運営に自信を見せていたけど。。とはいえ楽天のほうが球団とのシナジーは大きそうだな。
ゲーム事業の詳細
なるほどいわゆるモバゲー(スマートフォンブラウザとフィーチャーフォン)は大幅に売上が下がっているけど、海外のアプリコインと国内のネイティブアプリの売上がしっかりと伸びているので、結果的にゲーム事業の売上は横ばいなんだな。
先日GREEの業績を「任天堂の倒し方をご存知だったはずのGREE。元気なくて可哀想だから分析してみた。」で取り上げたけど、ネイティブもブラウザも海外も全てダメで、大幅に売上を落としているGREEとは違うようだ。
DeNAはネイティブや海外で頑張っているので、まだ期待が持てそうです。
なるほどファイナルファンタジーレコードキーパーがヒットタイトルになっているようですね。
FFはスクエアエニックスのIPですが、DeNAののゲーム開発力・マーケティング力に期待しIPを提供して組んでいるんでしょう。
となると任天堂との協業も期待できるかもしれません。また直近ではバンダイナムコと組んでスーパーガンダムロワイヤルもサービスイン予定だそうです。
日本のアプリゲーム市場
ランキングのTOP3に入れば2013年は単月約24億円を売上ていたのが、2015年6月は100億円超と実に4倍近く成長しているんですね。
ベスト10になると15億円くらいとそれでもすごいけどTOP3に入れるかどうかで全然違う。
このデータは業界関係者ならびに投資家は非常に参考になるのではないでしょうか。50位~100位に入っても1.5億円程度なのか。
DeNAの国内ゲーム事業における順位
1年半で30位くらいから10位くらいにまで上がりましたよ。どうだGREEみたか的なグラフです。
ネイティブゲームでも売上を伸ばしたことでモバゲーがまぐれではないことを証明できてきましたね。
潤沢な広告宣伝費があるからというのもあるけど、いいサービスを作る力がなければここまで売上はあがりませんよね。
海外ゲーム事業
まだ営業赤字は続いていますが、売上はだいぶ伸びています。四半期で50-60億円のレベルだから近いうちに黒字化できるかもしれません。
DeNAのEC事業
モバオクやDeNAショッピングなどは横ばいです。ただ取り扱い高は増えてるぞってアピールしてますけど、収益率が下がったってことだよな。。
任天堂との協業
亡き岩田社長(元任天堂社長)の意志を継いで、シナジーを創出できれば良いが、ちょっと資本提携の出資比率とか少なすぎて中途半端感は否めないな。
FFとかの事例もあるし、売上が伸びるゲームも出るだろうけど、DeNA以外の企業が任天堂に好条件を提示したときにパートナーを乗り換えたりするということは起きるような気がする。
新規事業・その他
M&AではMARYなど、新規事業立ち上げでも漫画ボックスやSHOWROOM、ハッカドールなどいくつか期待の事業が出てきています。
GREEと比較するとゲーム・EC・出版・動画・ニュースなどの事業に加えて、提携戦略も好調のようなので先行きは明るいと言ってよさそうです。