米司法省が昨日28日に、カリフォルニア州で起きた銃乱射事件の容疑者のiPhoneのデータへのアクセスに成功したことを発表し、アップルの提訴が取り下げられました。この件については米連邦捜査局であるFBIがAppleにiPhoneのロック解除を要請し、それをAppleが拒否したことで米当局とAppleが対立していました。
Appleにとってセキュリティが破られたというのは大きな失態ですが、実はそのセキュリティをたった2日で破ったのは日本のグループ企業。昔はファミコンゲームソフト「いっき」や「水戸黄門」なども発売していたサン電子が2007年に買収した小会社でイスラエルのIT企業セレブライト社です。
これを機にサン電子含めセレブライトの業績を調べてみました。
サン電子の業績
連結決算
2月16日に発表された3Qの決算発表からですが連結業績は前年同期比で見ると減収減益ですね。特に主力の遊技台部品事業が減収減益だったようです。
そもそもサン電子の事業やここまでの業績を把握していない方が多いと思いますので、そこから見てみましょう。
サン電子のここまでの業績推移
上場13年で売上は3倍、営業利益は2倍と成長を続けています。またこれまで遊技台部品とホールシステムなどの売上構成比率が高かったのが、モバイルデータソリューションの売上構成比が急激に高まっています。
このモバイルデータソリューション事業が今回のiPhoneのセキュリティを破ったという事業ですね。
ではそのモバイルデータソリューション事業の詳細を見てみます。
モバイルデータソリューション事業
”操作の証拠としてのモバイルデータの価値向上”と明確に戦略として取り組んでいるようです。
なんとモバイルデータが決定的な犯罪証拠になっている率が95%。個人情報がいっぱい詰まってますもんね。GPSの履歴などもスマホが仮に溜め込んでいるとしたら、いつどこにいたかまでわかってしまいます。そういえばGPSの履歴データって通信キャリアは持ってないだろうけど、端末に保存されているのかな。。
端末の故障経験が過去1年で70%って高いな。
セレブライト社の売上推移
米当局に協力してiPhoneのロックを解除したセレブライト社の業績推移です。
昨年の年間売上が1.1億ドルってことは日本円で124億円(1ドル=113円換算)ってことか。かなりの売上規模。
今回の件を受けてサン電子の株価は上昇しています。
23日に700円だったのが報道当日にストップ高となり、29日現在で900円台になっています。
フォーブスによるとセレブライト社のロック解除の費用は1,500ドル程度で済む可能性があると報じられていますので、この件での売上貢献はあまり無いかもしれませんが、今回の報道を受けて、世界中の捜査当局から協力依頼が増えるかもしれませんね。
てか”いっき”ってPS3でオンラインゲームになって復活してたのか。