ファンコミュニケーションズの運営するA8.netの売上が好調のようです。またファンコミュニケーションズといえば、スマートフォン広告の黎明期にnendを起ちあげて、その急成長を認識していたのですが、どうやらここにきて成長に陰りが見えているようです。
目次
ファンコミュニケーションズ社の決算
2015年は前年と比較すると売上は11.9の成長、営業利益は3.8%の成長となっており、経常利益率も毎年16%~18%程度と高い率で安定しており、スマートフォンの普及を背景に好調であることが伺えます。
これをセグメント別に見てみましょう。
セグメント別売上高
CPA型アドネットワーク事業はいわゆるアフィリエイトASPと一般的に言われるもの。広告をクリックしただけでは、広告出稿主・掲載主どちらにも報酬が支払われず、実際に商品を購入したり、会員登録したりといった成果に応じて支払いがされるモデルです。Cost Per Actionの略ですね。
一方のCPCはCost Per Clickの略で、商品を購入しようがしまいが、広告をクリックしたタイミングで報酬が発生します。CPCの市場は急激に伸びていますが、この市場ではGoogleの力が圧倒的です。ただしガイドラインが厳しかったり、アダルト色が強い広告は掲載ができなかったりするので、ファンコミュニケーションズが運営するCPC広告のnendなどに広告主や掲載主が流れ、急成長を続けていました。
しかしここにきて、前年比マイナス18.1%の売上となっており、成長に陰りが見られます。
それぞれ見ていきましょう。
アフィリエイトA8.netの売上推移
まずは売上推移からですが、四半期ベースでも右肩上がりに成長しています。
特に前年比23%の上昇となった直近はかなり伸びています。やはりスマートフォンの成長が背景にあるのでしょうか。
A8.netのスマートフォン比率
と思いきやスマートフォン比率は50%超えたあたりから伸び悩んでいます。
ということはPCもスマートフォンも伸び続けているということですね。
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問題はnendの売上高の推移
意外だったのはnendの売上がかなり落ち込んできているようです。
スマートフォンのCPC広告ではかなり知名度が高くなり、大成功をおさめていたのですが、2014年Q4までは急成長を遂げていたのに、そこから急速に減少しています。
市場は成長し続ける中でnendの売上が減少しているということは競合する広告社にシェアを奪われていることになりますが、よくnendと比較されるi-mobileの業績を見てみます。
競合i-mobileの売上推移
出典:アイモバイル社HP
i-mobileは上場していないので詳細なデータは開示されていませんが、2015年度は150億円の売上と上昇を続けています。スマホ特化のnendと比べて、i-mobileはPCも対応しているので、単純に比較はできませんが、nendの売上が減少する中でi-mobileは150%の売上成長率を見せています。
競争の激しいアドネットワーク市場。媒体社としてはよりマネタイズのしやすいアドネットワークを選択するので、より良い広告(CTRが高い・単価が高い・管理画面等の利便性が高い等)が他にあれば、すぐに乗り換えてしまいます。
nendの場合、スマホに特化しているので、PCで広告を掲載しようとすると別のアドネットワークと契約しなければなりません。そろそろi-mobileのようにPCも対応して良い気がしますが、どうなんでしょう。