DeNAは海外売上が急成長も減損リスク有り。岩田聡社長亡き後、任天堂との提携はうまくいくのか?

モバゲーの売上が減速後、ネイティブアプリのヒットの注力以外にもキュレーションメディアであるMERYやiemoの買収、マンガボックスやSHOWROOMといった新規事業立ち上げなど、新たな事業領域を立ち上げようと必死なDeNA。今回はDeNAの決算内容について分析してみました。

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DeNAの業績

2014年度第4四半期連結業績

ソーシャルメディアの売上については引き続きモバゲーの売上減少が急加速ですね。マンガボックスやSHOWROOMといった新規事業も減少を食い止めるほどの規模に到達するのはまだまだ先です。このあたりはネイティブアプリでヒットを飛ばすことが売上を再成長させるための唯一のポイントでしょうか。

ECは微減ですが、ほぼ横ばい。MERYやiemoなどのキュレーションはその他に分類されるようですが、四半期で2億円程度ですか。。MAUの割には規模が小さいですね。ただGunosyなどの売上拡大・営業利益率などを見ると期待ができる分野ではあります。

国内ゲーム事業

着実にモバゲー(スマートフォンブラウザとフィーチャーフォン部分)は比率が下がって、アプリマーケット経由の比率が伸びています。

こうなるとAppleやGoogleの手数料30%がかかるようになるんですが、ソーシャルゲームはスケールすれば他社IPライセンス(いわゆる権利料)がかからないタイトルであれば、モンスト・パズドラを見ていてもかなりの利益率は保てます。営業利益が減少しているのは単純に売上が落ちている影響が大きそう。

フィーチャーフォンがまだ売上の13%ってなってるけど、これってどういうユーザ層なんだろ。。10代とかでスマホは危ないからフィーチャーフォンを持たせて、フィルターをかけて渡す層とかなんだろうか。

海外ゲーム事業

ここは希望が持てる分野ですね。

4Qに一気に中国関連の売上が伸びています。ワンピースゲームの中国版があたったようですね。

営業損失は膨らんでいますが、今は投資フェーズと割りきって売上を伸ばそうというのでしょう。ただ気になるのは後述しますが、かなり特損が出ています。

モバゲーの売上減少

ブラウザコイン、すなわちモバゲープラットフォームの売上ですが、2年間で約半分になっています。

そうはいっても売上規模はまだまだ大きいので、ここは減少を緩やかにとどめつつネイティブアプリや新規事業などで成長を目指していくようです。

DeNAの事業ポートフォリオ

競争ではなく、共創していきますとか言うんでしょう。ええ、いいでしょう。

まだまだゲームが売上の8割を占めていますが、他の事業領域にも種を着実に蒔いています。

DeNAの人的リソース配置

ゲーム部門が中心ですが、新規事業にも優先させます。

任天堂との資本業務提携

先日亡くなられた任天堂の故岩田社長もこの提携がうまくいくか見届けたかっただろうな。

個人的には資本の持ち合い比率が中途半端すぎて、なかなか難しい気もしますが。最初のうちは任天堂も言われているからIPを優先的に提供しますってなると思うけど、その内、他社のほうが条件が良いので・・・ってなるのが世の常ですよね。信頼関係がある内は大丈夫ですが、任天堂も経営体制が変わりますし、スタート1・2アプリがコケると社内の雰囲気も変わってきますからねぇ。

DeNAの過半数を任天堂が保有します!ぐらいやってほしかった。

気になる単体ベースでの海外の551億円の巨大特損

単体決算で採用している日本会計基準だと551億円の単体決算では巨大特損が出るものの、連結はIFRSベースで公正価値が簿価を上回ったため、減損認識せずとのこと。

数年前にガラケーからスマホへの転換点で急いで買収した米国のngmocoを4.03億米ドル(当時のレートで約342億円。円安の今は500億円くらいか)ののれん代かな?

それにしても日本のインターネット企業は海外の買収で成功した試しがほとんどない。ソフトバンクぐらいでしょうか。楽天もまだまだ投資回収できていないと思いますし。。

DeNAも人材の層もどんどん厚くなっていると感じているので、ぜひ海外でも頑張ってもらいたいですけどね。

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