今回は吉野家の決算について分析してみます。その前に雑談なのですが、サクラバのように30代男性にとっては吉野家といえば、子供の時に見ていた「キン肉マン」で毎週歌われる「牛丼一筋300年。早いの、うまいの、安いの」という牛丼音頭により脳内に刷り込まれていると思います。
サクラバも吉野家に親にせがんで連れて行ってもらった記憶があります。
実はそのキン肉マンと吉野家の間には確執があるようで、子供の頃の微笑ましい記憶が少し悲しいものとなりました。
決算分析の前にそのお話から整理します。
目次
キン肉マンと吉野家の関係
実は吉野家ではなかったキン肉マンに登場する牛丼店
1979年にキン肉マンの連載が始まった当時、マンガでは実は吉野家ではなく、なか卯がモデルでした。その証拠にキン肉マンのコミック第一巻に登場する看板やメニューの場面に吉野家には置いていないうどんがあることがその根拠と見ていいだろう。
しかし連載が始まった翌年の1980年に吉野家が120億円の負債を抱えて倒産。会社更生法を申請します。
その後、キン肉マンが東映の元でアニメ化される際に吉野家側から東映の担当プロデューサーに連絡があり、牛丼店を吉野家にすることを了承。アニメでは牛丼が吉野家のものになります。
吉野家にその後、子供が押しかけるようになり、吉野家の再建に大きく影響を与えましたが、吉野家はアニメのスポンサーにはなっておらず、タダで大きな広告効果を得ることができたのでした。
作者のゆでたまごと吉野家の確執のはじまり
その後、吉野家は感謝の意として「名前入り特製どんぶり」と「名前入り特製湯のみ」を贈ります。ここで終われば、美談だったのですが、あることからキン肉マンの作者ゆでたまごと吉野家の確執の時代に入ります。
2003年10月のトリビアの泉(フジテレビ系)で、この授与されたどんぶりを吉野家に持って行くと牛丼が無料で食べられるという都市伝説があり、実際にゆでたまご嶋田に実行させるという企画があった。
結果は料金を取られることになったのだが、実は吉野家の店員は全員社員であり、ゆでたまごが来店することも予め知っていたことがわかり、ゆでたまご嶋田はこの時のことを恩を仇で返されたと感じている。吉野家の社員が無料で食べるのを断られる様をTVで流されるのを知りながら、フジテレビの企画に乗っていたからだ。
その後、2008年に連載開始29周年(にく)にあたり、集英社が吉野家に「今こそ恩返しのチャンスです」と連絡を入れたが吉野家から拒否されます。代わりに実際のモデルだったなか卯とすき家でキン肉マン祭りとしたキャンペーンが実施され、事情を知らないファンからは「ゆでたまごがお金で吉野家を裏切った」と批判したこともあったという。
これらの経緯はゆでたまごがTwitterなどで語った経緯なのですが、吉野家は「事実と違うと考えています」というコメントを発表していますので、真実はどうなんでしょうか。
さて、吉野家の決算を見てみましょう。
吉野家の決算
上期のP/L
半年間のP/Lですが、売上は九百肉(にく)億円の営業利益11億円となり、利益率は決して高くありませんが、着実に利益は出ています。
国内主要4社売上高前年比の推移
先ほどのP/Lですが、吉野家だけでなく、最近勢いのあるはなまるうどん。その他、ステーキのどん、京樽なども主要な店舗となっています。
新商品販売や価格改定で売上に波があることがわかります。
セグメント別出退店
いま力を入れて出店を進めているのがはなまるうどんです。
出店数は吉野家並ですが、退店は少なく、店舗数をどんどん増やしています。
上期の総括
吉野家は麦とろ牛皿御膳がヒットしましたが、客数回復が遅れているようです。
2015年度経営テーマ
今期の吉野家の経営テーマはTRY&TRY&TRY。
大事なんで3回言いました。決してトラトラトラではありません。
ことばの意味はわからんがとにかくすごい自信だ!
今後の販売戦略
今後の販売戦略で健康メニューの開発ですが、ベジ丼とかその典型ですね。
肉は入っていないものの、野菜と油で味はしっかりしており、421キロカロリーと低カロリーです。サクラバもたまに食べに行くようになりました。
新たな集客へのトライアル
スマートフォンやTpoint連携など新たな集客への取り組みも進めています。
今後としては吉野家にまだ呼び込めていない層の集客を考えるのであれば、LINEの公式アカウントをもっと活用してもいいかもしれません。
吉野家の今後の課題
はなまるは吉野家のグループの次の柱となる業態へ育てたいみたいですね。
海外はアジアの開拓を進めています。
キン肉マンの海外でのプロモーションと同時に吉野家の出店というマーケティング戦略もあるような気がしますけどねぇ。
屁のつっぱりは、いらんですよ