なんとAmazonが5月から株式会社をやめて合同会社化。税の徴収強化はどこまで進むのか

Amazonが取引する様々な顧客向けに2016年5月1日からの組織変更の告知を開始しているようです。これまで国際ルールを駆使し、様々な節税策をとってきたとされるAmazon。

これまで株式会社だったのを合同会社へと変更するようですが、その意図とは何なのでしょうか。

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Amazonの組織変更の内容

2016年5月1日から、アマゾンジャパン株式会社はアマゾンジャパン・ロジスティクス株式会社を存続会社として合併し、株式会社から合同会社に組織変更。

社名をアマゾンジャパン合同会社へと変更する予定のようです。

ここで重要なのはアマゾンジャパン合同会社より提供するすべてのサービスは、日本国内での取引とみなされるため、消費税の対象となるということ。

そもそも2015年10月1日の税制改正により、Amazon出品サービス等、それまで対象外だったサービスでも消費税がかかるようにはなっていました。

しかし、Amazonサイト上のプロモーションサービスの一部については、事業者向け電気通信利用役務の提供に該当するとして、消費税の請求はありませんでした。今回の変更でこのあたりも消費税の対象となるようです。

これは抜け道を許さないという国税局・税務署の努力が実を結んだということでしょうか。

Amazonから組織変更のメールが届いたという報告が続々

まだ大手メディアでも報道されていないようなので、Amazonからメールが届いたという報告がTwitterで続々とされており、一部引用しておきます。

気になるのは合同会社化の理由

通常、合同会社は設立費用が安いとか、いくつかメリットがありますが、Amazonの狙いはどこにあるのでしょうか。元々、合同会社という制度は米国のLLC(Limited Liability Company)を手本に導入されました。

そして実は2011年にはあのAppleもアップルジャパン株式会社をアップルジャパン合同会社に吸収合併している。今回のAmazonと似たようなスキームです。

想定されるAmazonの合同会社化のメリットは以下のようなところでしょうか。

会計監査人監査が不要

うーむ。つまり、日本の会計監査基準に合わせる必要がなくなるということです。
一番気になるのはここかな。

柔軟な配当政策

出資比率に応じて配当する必要がなくなります。

株主総会や取締役会を設置しなくて良い

極端に言えば、アメリカルールに寄せた会社運営がし易い

決算公告義務が無い

ここのメリットは軽微でしょうか。そもそも大した開示範囲ではなく米国法人のほうで日本の状況もIRしています。

・有限責任

ここは株式会社と同様に当然でしょう。

何かしらメリットを想定して合同会社化するのでしょうが、具体的には話を聞いてみないと当然わかりません。

増加する合同会社の設立数

昔でいう有限会社に近い合同会社ですが、最近この形態の会社が日本では急増しており、導入された2006年が3,392社だったのに2014年には19,808社まで増加しています。

2014年の株式会社の設立数が約8万6千件。つまり5社に1社は合同会社。

外資が合同会社を選択するケースが今後もさらに増えていきそうです。

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