今回は本日(2015年11月6日)発表された決算から創業25周年のブックオフを取り上げます。
ブックオフは創業が1991年。急激に店舗数を拡大し、新古書店という古本屋の形態を作り上げたとして知られていますが、2007年頃には店舗数拡大も飽和状態となり、既存店の売上も落ち込み始めます。
落ち込みが見られる中、2009年には大日本印刷グループや講談社、小学館、集英社が出資。
2011年には中古品リサイクルのハードオフコーポレーションが出資。
昨年2014年6月には第3者割当増資でヤフーが株式を取得し、筆頭株主となっています。
この流れを把握した上で決算を見てみましょう。
目次
2016年3月期(2015年4月~2016年3月)の売上・利益計画
売上は750億円と前年同期比で僅かに増加を計画していますが、後述する先行投資の計画で営業利益は5億円程度を想定しているようです。
四半期決算(2015年4月~9月)
今回業績予想は据え置かれていますが、前半期で営業利益は3.5億円の赤字。後半期は年末年始の商戦がありますしね。
ブックオフの目指す世界
現状、中古品を売買する人の率は40%であるのを100%にすることを目指す「リユース革命」を昨年資本提携したヤフーと共に目指すようです。
中期事業計画
今期は5億円程度の営業利益を予想していますが、来年は30億円、3年後は40億円、いつしかきっと100億円という計画です。
今期の重点施策は4つ
今期の重点施策は
・人員強化
・ヤフオク!出品の直営店舗への導入
・中古家電の直営店舗への導入
・プロモーション集中投下
この4つです。それぞれ見ていきましょう。
人員強化
既に前半期で人員強化は完了しているようで、前年と比べて14%も増えています。
コンビニなどでも採用が難しくなっていますが、短期間で採用はやりきったようです。
ヤフオク出品
店舗とヤフオクの併売システムが9月末で227店舗にまで広がっています。それを年度末までに300店舗に。
ちなみにブックオフは国内939店舗。うちフランチャイズが482店舗となっています。
出品点数が急増
ブックオフの品をヤフオクでも販売するという併売システムの導入で2015年7月頃まで5万点程度で推移していたのが、一気に42万点の出品数となっています。
ヤフオクでモノを販売しようとしていた個人なども競争が一気に激化しているのでは?と思うかもしれませんが、ヤフオクの常時出品数は約3200万個もあるので、まだ1.3%のシェアでしかありません。
併売システムとは
ヤフオクで入札されたら、店舗に自動で取り下げ指示が行き、店頭で購入されたら、ヤフオクは自動で出品終了するというものです。
ヤフオク連携の実績
導入店舗は導入していない店舗より1%ほど売上が増加している様子。
まだなんとも言えない水準ですが、プラスはあれどマイナスの影響は無いでしょうね。
ちなみに結構な売り上げ規模だなーって思うかもしれませんが、ヤフオクの年間の落札額は約7300億円なので0.07%のシェアというまだその程度の水準です。
本田圭佑選手なら逆に考えて伸びしろですねぇってきっと言ってくれます。
中古家電の導入
2015年3月に6店舗しか中古家電を扱っていなかったのが、2016年3月末には300店舗にまで拡大。
本以外の商品が増えてくると便利ですね。まだまだ店舗数としてはこれからですが。
中古家電はヤフオクの査定システムを活用
ヤフオクの販売データを元に査定システムを構築中。
いわゆる従業員の”目利き”ではなく、ビッグデータ解析による販売システムの構築です。
ここでの熟練の匠の目利きが必要となくなり、IT革命におけるラッダイト運動がそのうち起きないよう願わずにはいられません。
中古家電導入効果
本よりは単価が高いですし、売上の成長は3.1%と大きいようですね。
ブックオフのプロモーション
既にテストは実施し、効果も出ているようですが、後半期本格的にマス広告などもうつようです。
今後目にする機会が増えるでしょう。
ブックオフオンライン店舗連携
ブックオフオンラインの巨大な倉庫に店頭で一定期間経過し、売れなかった商品を集約していきます。
なんでいちいち?となりますが、ヤフオクとの連携を見据えています。
店頭でのヤフオク併売システム導入は2016年3月で300店舗程度規模を想定し、まだ全店舗の半分もありません。
それを解消するために対応するブックオフオンラインの倉庫に商品を集約し、少しでもヤフオクやブックオフオンラインの出品点数を増やそうという仕掛けのようです。
本のブックオフから何でもリユースに
こうなると社名も変更しないといけませんね。
メルカリ等、スマートフォンの普及でリユース市場は間違いなく急成長すると思います。
ブックオフのように店舗があるというのがどこまで強みになるのか。今後に注目です。